本「やせたければ脂肪をたくさんとりなさい」の感想・口コミレビュー | 心と体が健康になるブログ

本「やせたければ脂肪をたくさんとりなさい」の感想・口コミレビュー

糖質制限した時は、不足したカロリーを脂肪とタンパク質から摂る訳だが、
どちらを多く摂るべきか?
方法は2つ。
●低糖質高脂肪食
●低糖質高タンパク質

「低糖質高脂肪食」は主に「てんかん」の治療食としてのケトン食で推奨されている方法だ。

一般的に糖質制限ダイエットでは「低糖質高タンパク質」である。

「低糖質高脂肪食」とはどういうものなのか、それを知りたくて読んでみたのが、「やせたければ脂肪をたくさんとりなさい」という本。

著者はジョン・ブリファ。
監修は江部康二(えべ・こうじ)氏と夏井睦(なつい・まこと)氏。

江部先生は財団法人高雄病院理事長の医師で、糖質制限食の大家だ。

夏井睦氏は初めて聞く名前だが、練馬光が丘病院傷の治療センター長。
1996年から「消毒しない、傷を乾燥させない」外傷の治療である「湿潤治療」を提唱し、インターネットでの活動と公演活動を中心に、治療の普及にあたっており、糖質制限食に関しては、自ら糖質制限ダイエットを実践し、半年で11㎏の減量に成功した経験を持つ。

著者のジョン・ブリファも初めて聞く名前だが、略歴は以下の通り。
イギリス在住の医師。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン医学部卒業。
食事療法、体重管理、健康の第一人者。

本書のサブタイトルは「ダイエットのにまつわる20の落とし穴」。
サブタイトルの通り、20個のダイエットにまつわる落とし穴が紹介されている。

ただし、ページを開いて思ったのが、余白が少なく文字がぎっちり書いているので読む気が起きない点。

但し、1章ごとに「結論」がまとめてあるので、分かりやすい。
先に「結論」を読んで不足を本文で補う読み方が良いと思う。

本書は、ジョン・ブリファ氏の体験に基づく個人的な見解が述べられているのではなく、論文を元にダイエットの常識と考えられている事柄の真偽に黒白をつけていくという体裁で、説得力がある。

内容が良いだけに、この読みにくさは残念でならない。
出版社としては、余白を増やすとページ数が増えるのを嫌ったのかもしれないが、もったない話だ。

ただ、本書のタイトル「やせたければ脂肪をたくさんとりなさい」は、内容に合っていない。

著者は「食事脂肪は健康に不可欠」「低脂肪は危険」と主張しているが、「やせたければ脂肪をたくさんとりなさい」という主張は見当たらない。

サブタイトルの「ダイエットのにまつわる20の落とし穴」が本書の全てである。

恐らく、日本の出版社が本書を売りたいがため、キャッチなタイトルをつけたのではないだろうか?

いずれにしても、ダイエットの間違った常識に振り回され、結果が出ない(=痩せない)方や健康に関心のある方は読んで損をしない本、というか、読むべき本と言える。