「スタンフォード大学教授が教える熟睡の習慣」感想・口コミレビュー | 心と体が健康になるブログ

「スタンフォード大学教授が教える熟睡の習慣」感想・口コミレビュー

「スタンフォード大学教授が教える熟睡の習慣」という本を読んだので感想・口コミレビューを披露します。
「スタンフォード大学教授が教える熟睡の習慣」は、「スタンフォード式 最高の睡眠」の第2弾である。

「スタンフォード式 最高の睡眠」では、特に「睡眠負債」という概念が注目された。
ただ、「睡眠負債」と言う言葉そのものは、睡眠研究に携わっている人間にとって目新しいものではなく、我々が単に知らなかっただけ。

西野氏は、睡眠不足が引き起こす危険性を指摘している。
そして、我々が今まで正しいと信じている睡眠常識の間違いを正していく。

ただ、こういう展開は昨今、頻繁に見られる現象で、今まで正しいとされていたことが、間違いだったとされるのだが、その弁でいうと、今、正しいとされていることも、将来は間違いとなることもありうるので、専門家と称する人の言う事には信頼を置けなくなる。

とりあえず、その問題はおいて置き、西野氏の主張をみていこう。

西野氏は「睡眠負債」の危険性を主張している。
「睡眠負債」は睡眠不足によって生じる。
以上が、前著でいいたいことであったとするならば、本書では、以下の問題に対する回答を提示していなければならない。

[1]十分な睡眠時間とは何時間なのか?
[2]「睡眠負債」を解消するにはどうすれば良いのか?

[1]十分な睡眠時間とは何時間なのか?
アメリカの研究によると、もっとも死亡率が低かったのは、睡眠時間が約7時間(6.5時間以上7.5時間未満)の人たち

日本の研究では、死亡率が一番低かったのは、睡眠時間7時間(6.5時間以上7時間未満)の人たち。

アメリカの研究と日本の研究では若干のずれはあるが、6.5時間~7時間(7.5時間)の睡眠時間が死亡率が低い。

 

もちろん、その人に最適な睡眠時間には個人差がある。

ちなみに睡眠時間が3時間や4時間の人がショートスリーパーというだが、訓練で短時間睡眠にはならないらしい。

生まれつきだという。

[2]「睡眠負債」を解消するにはどうすれば良いのか?
「睡眠負債」は眠ることでしか解消しない。
となると、忙しい現代人はどうやって睡眠時間を確保すればよいのだろうかか?

そして、睡眠を考える上で大事なことは、睡眠"時間"だけでなく、"質"も大事。

理想の眠りは、以下の条件を満たすことが大切。
①量(時間)が十分足りている
②質のよい眠りである
③すっきりと目覚められる

では、具体的にどうすれば良いのだろうか?

私が面白と思ったのは分割睡眠。
「6.5時間~7時間(7.5時間)の睡眠時間が死亡率が低い」という話があった。
しかし、まとめて睡眠をとるとよいと言う考え方は近年の話らしい。

パフォーマンスを上げるには分割睡眠も良いらしい。
本書では、黒柳徹子さんの例が挙げられている。

夜10時に就寝⇒夜中の2時に起床⇒活動⇒朝5時に寝る⇒朝10時に起床

睡眠時間と活動時間を見ると、

睡眠時間4時間⇒活動3時間⇒睡眠時間5時間⇒活動時間12時間
黒柳徹子さんの場合、合計睡眠時間は9時間。
死亡率が低い7時間(7.5時間)をはるかにオーバー。
但し、死亡率の研究では「まとめて取る睡眠時間」なので、分割睡眠は対象外。
同列では論じられない。
それと、黒柳徹子さんが高齢ということも考慮する必要がある。

できれば、ビジネスマンが参考になる例を出して欲しかった。

本書の第3章は「生体リズムが熟睡のカギ」というタイトルで、生体リズムについて語られており、要は睡眠の"質"を高める方法が展開されている。

ただ、目新しいことは書いていない。

第4章は『「仕事中の眠気」の恐るべきリスク』。
こちらも睡眠負債の危険性についての話。

第5章は、『女性、子ども、高齢者の為の睡眠常識』。
ビジネスマンは対象外。

第6章は、『熟睡できる環境の作り方』。
これは、睡眠の"質"を高める寝具等の話。

第7章は、『「睡眠障害」について知っておきたいこと』。
睡眠に関する病気についての話だが、原因が判明していないものも多いという。
「睡眠負債」と直接かかわる話ではない。

第8章は、『「睡眠薬」との賢い付き合い方』。

結局、「睡眠負債」の解消の本かと思ったが、本書のタイトルや表紙に記載のある内容であった。
タイトルに偽りはない。

「スタンフォード大学教授が教える熟睡の習慣」
「最高のコンディション、ダイエット、アンチエイジング、病気予防、ボケ防止、眠育・・・・日本人が知らない正しい睡眠常識!」

著者は「睡眠負債(=睡眠不足)」を解消するには、「寝るしかない」というのだが、では忙しいビジネスマンがいかにその睡眠時間を確保すればよいのか、これにつていは、明確な回答は書かれていない。

ただ、「たっぷりと寝てもスッキリ目覚められない」といった方が読む本としては分かりやすい、と言える。